京大SPH同窓会・帝京大学SPH同窓会と共催で、第4回SPHサロンを開催
2013年10月19日、東大SPH同窓会は、京大・帝京大SPH同窓会と共同で、4回目となるSPHサロンを開催しました。東大SPH同窓会が単独で開催していた【同窓会サロン】から通算すると、9回目の開催となり、今回のサロンでも、各大学から多数のSPH同窓生・現役生、そしてSPHへの入学を検討されている方にも参加頂きました。また、今回は午前に実習セミナー、午後に講演とディスカッションという盛りだくさんの内容となりました。
Rを使った実習セミナー
「研究の作法と課題」と題して開催した今回のサロン、午前のセッションでは「現場で使えるデータ解析~Rセミナー~」と題して、東大SPH同窓生で、現在は臨床疫学・経済学分野助教の松居宏樹さんが講師を務めました。統計ソフトの活用には多くの方が強い興味をお持ちだったようで、当初の想定を遙かに超える方にご参加頂くことが出来ました。セミナーの中では、費用や機能性等の視点からRの有用性を語る松居さんの話に参加者は引き込まれました。また実際の操作を体験することで、Rを使うのはこの日が初めてという方にとっては、新しいツールに触れるよい機会となったようです。時間の制約により、予定されていたハンズオンの課題に触れられなかった点は惜しまれましたが、参加された皆さんにはRの活用に関心をもっていただけたようでした。
学術論文を英語で発表するために
昼休みを挟んで、午後には京大SPH出身のお二方に講演を頂きました。第一席は、学術校正・翻訳を請け負うCoda Academic Editingを立ち上げられたジェイスン・リーさんによる英語論文を執筆するための様々なアドバイス。”Publishing an Academic Paper in English: Sentence construction/Tips and tricks”と題して、アカデミック・ライティングの基本的な構成から具体的なtipsまで、英語を母国語とするリーさんご自身の経験を重ねつつユニークにご紹介頂きました。「オックスフォードコンマ」の使い方・フォントの選択・カバーレターの切り出し方など、ネイティブではない執筆者にとって迷いやすい部分についても実践的に解説、参加者も頷きながら講演に聞き入っていました。
NDB:ナショナルデータベースの現状は?
第二席には、京大SPH卒業生で国立大学病院データベースセンター助教の小林大介さんが、ナショナルデータベース(NDB)について講演。現在整備が進められているNDBは医科・歯科・調剤のレセプトや特定健診データの情報が蓄積されたものですが、このデータベースの研究利用が出来るようになりました。小林さんの所属する研究室ではこのデータベースを用いた研究が行われており、その経験を踏まえて、NDBの概要から利用までの流れ、セキュリティ対策やデータの特性について詳しくご説明頂きました。その上で、NDBを用いた研究の課題と今後の展望について触れると、聴衆からも様々な質問が投げかけられ、NDBなどの2次データを用いた研究に対する関心の高さが伺えました。
SPHサロンに求められる役割は?
サロンの最後には、「今後の同窓会サロンについて」と題し、参加者の皆さんにサロンの役割や企画・テーマについて、グループワークとしてディスカッションをして頂きました。ディスカッションに先立ち、東大SPH同窓会理事の岡本真澄さんから、今までの同窓会サロン・SPHサロンの経緯について説明があり、その流れを踏まえて、各テーブルで議論が重ねられました。議論では、「OB、OGの仕事や就職活動について聞く」ことや、患者さんやポリシーメーカなど様々なステイクホルダーの声を聞く機会を作ること、様々な実地を見学するいわば「社会見学」の開催など、活発かつユニークな意見が挙げられました。また、今までのサロンは、主に東京大学で開催されていましたが、京大・帝京大での開催を期待する声もありました。
今回のサロンでは、午前中に実習のスタイルを取りました。初めてのスタイルだったことや、受講者が多かった分、全ての皆さんのニーズにお応えしきれなかった部分もあるかと思いますが、今後もこのような実践的なセミナーを開催できればと考えております。また、ディスカッションで提案されたアイデアも活かして、多くの方々に魅力あるプログラムとしていきたいと思います。今後とも、是非ご支援ください。最後に、ご講演頂いた松居さん・リーさん・小林さん、そしてご参加頂いた皆様に、改めて感謝申し上げます。
■第4回SPHサロン 概要
名称:「研究の作法と課題」
日時:2013年10月19日(土) 10:30~12:30(第一部)、14:00~16:30(第二部)
会場:東京大学本郷キャンパス 医学部教育研究棟2階第1・2セミナー室
内容:
- 第一部
- 実践セミナー「現場で使えるデータ解析~Rセミナー~」
講師 松居 宏樹 様 (東大SPH卒業生)
- 実践セミナー「現場で使えるデータ解析~Rセミナー~」
- 第二部
- 講演1「研究を世に広めるために:英語論文のアドバイス」
演者 ジェイスン・リー 様 (京大SPH卒業生) - 講演2「2次データの活用:ナショナルDBの現状について」
演者 小林 大介 様 (京大SPH卒業生) - ディスカッション「今後の同窓会サロンについて」
- 講演1「研究を世に広めるために:英語論文のアドバイス」
会費:東大・京大・帝京大SPH同窓生、各SPH現役学生・教員 無料
その他 500円(資料代として)
※第一部に参加される方はパソコンをご持参ください。
■懇親会
日時:2013年10月19日(土) 18:00~20:00
会場:オステリア ココ・ゴローゾ
会費:4,000円程度(予定)
■申込
【→こちらのフォームよりお願い致します】
※10月4日(金)を目処にお申し込みください
■キャンセルについて
- もしご都合が悪くなった場合は、2日前までに下記問い合わせ先のメールアドレスまでお知らせいただけると幸いです。特に、懇親会は、ご連絡がない場合、料金を申し受けることがありますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
■お問合せ
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