第8回SPHサロンを開催(2015年11月28日土曜日)

第8回SPHサロンを開催(2015年11月28日土曜日)

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2015年11月28日土曜日14時から、第8回SPHサロンを東京大学教育研究棟13階大6セミナー室で開催いたしました。テーマは、「健康・医療情報と向き合う-ヘルスコミュニケーションの最新知見-」とし、ヘルスコミュニケーションの分野で、それぞれのアプローチで活躍していらっしゃる3人の講師の先生にお越しいただきました。当日は、岩手や長崎の方を含め、京都など、遠方からの参加も多数いただき、30名ほどにお集まりいただきました。貴重な休日に、お忙しい中参加していただいた皆様には、大変感謝しております。ありがとうございました。

第1部は、聖路加国際大学看護学部の中山和弘先生にお話しいただきました。
テーマは、ヘルスコミュニケーションとヘルスリテラシーです。ヘルスリテラシーは日本語では、情報に基づく意思決定により健康を決める力と言われます。中山先生は、医療において、情報に基づく意思決定を誰もができるようになってほしいという思いを持っていらっしゃいます。
コミュニケーションの前提は、相手との共通の言語や知識を知り、立場など社会的なルールの元で、目的をもって行うということです。
医療者間のコミュニケーションについては、様々な研究があり、それにより、患者中心のより良いコミュニケーションが取れる場合はソーシャルメディアのようなオープンな場があることであるなど、多くの知見を紹介してくださいました。
日本でヘルスリテラシー不足の人の割合は約85%と言われています。ヨーロッパ諸国の調査結果に比較すると、日本では、医療における様々な場で、不安を感じる場面が多いようです。最近では、意思決定をサポートするような、デシジョンエイドとなる冊子なども作られつつあります。今後も患者中心の医療、ヘルスリテラシーの向上のため、なにができるか、なにをすべきかを考えさせられました。

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第2部は、出版業界で10年以上働かれた後東大SPHを卒業され、現在は東京大学医学系研究科医療コミュニケーション学教室特任助教の奥原剛先生にお話ししていただきました。タイトルは、「対象者の『やる気』を高めるヘルスコミュニケーションの9つの原則」、です。
原則1は「受け手にとって予想外の驚きの情報を伝えよう」、原則2は「受け手に考えさせられるようななぞかけや質問をしよう」で、受け手の興味をひき、記憶に残すことが目的です。原則3は「数字やナラティブ(他人の生の声=体験談・エピソード)を使って信用をたかめよう」、原則4は「情報量を絞ろう、原則5は中学生でもスラスラ分かるくらい、分かりやすくしよう」です。原則6は「具体的に伝えて、視覚的にイメージしてもらう」、原則7は「行動を具体的に伝えて、シミュレーションしてもらおう」、原則8は「行動のメリットや、行動しないことのデメリットを強調して、感情に訴えよう」です。原則9は、「体験談やエピソード、ストーリーの力を使おう」です。各原則に、わかりやすい実例や活用例を紹介してくださるので、印象的で、記憶に残りました。出版業界でキャリアを持つ、奥原先生ならではのお話で、大変勉強になりました。

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第3部は、東京大学医学教育国際研究センター講師の孫大輔先生にご講演、ワークショップを行っていただきました。
講演では、カフェ型ヘルスコミュニケーションの実践例として、「みんくるカフェ」をご紹介いただきました。みんくるカフェは、2010年に孫先生がはじめられた取り組みで、医療者でも一般の人でもだれにも参加でき、医療・健康をめぐる対話の場で、街中のカフェなどでこれまでに20名規模で50回以上開催されています。医療者にも一般の人にも学びになる場になっていて、変容的学習のプロセスに基づき効果の研究も行われているそうです。現在では、カフェ型ヘルスコミュニケーションのファシリテーターを育成する講座も開催されており、講座修了生による様々な場所での開催が増え、全国に広がりつつあるようです。そして、それが「参加できる地域づくり」に貢献しているようで、今後ますますの発展が期待されます。

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ワークショップでは、「日本人のヘルスリテラシーが低いのはなぜか?」「やる気を高め、さらに維持させるためにはどうしたらよいか」「地域単位でヘルスリテラシーをあげるためには?」という3テーマについてグループ間を移動しながら、意見を交換し合いました。様々なメンバーと話し合うことで、楽しみながら新たな気づきや意見の深まりを感じることでき、有意義な時間となりました。

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3時間半の長丁場のサロンではありましたが、各専門家の先生の充実の講義、参加者の皆様の積極的な姿勢のおかげで、あっという間に時間が過ぎていきました。
サロンの後は、恒例の交流会を本郷三丁目駅前の居酒屋にて開催いたしました。サロンに引き続き、講師の方含め20名弱の方にご参加を頂き、公衆衛生の話も、公衆衛生以外のお話も大いに盛り上がり、賑やかで楽しい時間を過ごしました。

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